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■社労士は食える資格?食えない資格?
社会保険労務士の大きな魅力の1つに、独立・開業が可能な資格であることが挙げられます。
資格予備校などでは、この点を盛んに宣伝していますが、実際にはインターネットなどで調べると、「開業しても仕事がなくてほとんどが辞めていく」とか「アルバイトをしないと生活できないほど低収入」といったネガティブな話題もたくさん錯綜しています。
これから、独立・開業を視野に入れて社労士資格を取りたいと思っている方にとっては、一体どっちが本当なのか混乱してしまうかもしれません。
私の場合は、営業一筋の実務未経験状態から社労士資格を取り、現在のところ社労士業歴が約6年になりましたが、この間に社労士業の実態をよく知ることが出来ましたので、その辺りをよく踏まえた本当のところをお伝えしたいと思います。
■士業は商売、資格だけでお客が取れるほど甘くない
まず「社労士は食える資格?」という疑問ですが、単純に言うと「食っていける資格」です。でも、条件はつきますので、それは後述いたします。
確かにインターネットには様々な情報があふれていますが、現に私の周りには従業員も抱えてそれなりの事務所を経営する開業社労士や、従業員はいなくても特色のあるスタイルで活躍している社労士をたくさん知っています。また、社労士会に出向けば、それぞれ個々に頑張っておられる先輩や仲間に出会うことができます。そして、私自身もこの6年間、社労士として仕事をしてきて、途中で社労士が食えない資格なんて思ったことはありません。
従って、単純に「食えるか?食えないか?」と言われると「食える」となります。
とはいえ、ここで誤解してはいけないと思います。これは他の士業資格にも言えることですが、「社労士資格を持っている」だけでは絶対に食っていけないということです。恐らく社労士にネガティブな印象を持っている方は、この点について資格予備校のキャッチコピーを鵜呑みにしてしまったか、開業後の顧客獲得についての見通しが甘かったのか、そのような背景があるのではないかと感じます。
士業の世界は、今や弁護士・会計士でも簡単には食っていけない時代です。士業も独立・開業してしまうと他の業種と何ら変わらない商売であり、資格は単なる肩書に過ぎなくなりますので、成功するかどうかは、本人の才覚、特に営業力次第と言えます。この点を甘くみると「食えない資格」になってしまいます。
■それでも社労士の営業環境は明るいぞ!
繰り返しになりますが、社労士も他の業種と変わらない商売、サービス業です。いかにお客様に魅力あるサービスを提供できるか知恵を絞り、更に同業者との競争に勝ち抜いていかなければなりません。
この点に関して、先程、少し厳しいお話もしましたが、これから新人がこの世界に飛び込んで成功できる可能性、将来性を考えると、2つのポイントで他の士業に比べて良い環境下にあると感じます。
1つは、企業関与率です。日本の企業全体に対し、既に9割以上の既存関与率があるとされる税理士に対し、社労士はまだ3割程度とされており、新規開拓の余地が大きいと言われています。これに対しては、そもそも企業ニーズがないという反論もありますが、果たしてそうでしょうか?
2つめは、労務管理に対する企業ニーズの拡大です。昨今「ブラック企業」というフレーズをよく聞くようになりましたが、ブラック企業でなくとも労務管理に課題を抱えている企業はたくさんあります。むしろ、細かく突けば穴のない企業なんてほとんどないのが実情ではないでしょうか。
一方で、企業のコンプライアンスに対する労働基準監督署をはじめとする監督官庁や、マスコミをはじめとする社会の目は厳しくなる一方で、事実、私の事務所にもそのような労務コンプライアンスのチェックや改善に関するコンサルティング依頼が増えています。
ですので、このような企業ニーズをきちんと取り込めるような営業努力をすれば、この分野で唯一の国家資格である社労士は、まだまだ伸びていけます。独立・開業(または社労士事務所への就職)を目指すのであれば、「社労士は食えるか?食えないか?」なんていう情報に振り回されることなく、ご自分の知識・スキルと営業力の向上を目指しましょう。
執筆者:長友 秀樹/社会保険労務士
筑波大学卒業後、大手乳業会社で産婦人科病院・クリニックを担当、MRとして外資系製薬会社で勤務するなど約10年の営業経験を経て、2007年に社会保険労務士資格を取得。
2008年から都内の会計事務所、コンサルティング会社で人事コンサルタントとしての経験を積んだあと独立し、2012年8月にさいたま市で長友社会保険労務士事務所を設立。
現在は、医療専門の社会保険労務士として、就業規則の作成、人事評価制度の構築、M&A支援、新規開業支援、社会保険手続き代行、給与計算業務などに従事。
社会保険労務士の大きな魅力の1つに、独立・開業が可能な資格であることが挙げられます。
資格予備校などでは、この点を盛んに宣伝していますが、実際にはインターネットなどで調べると、「開業しても仕事がなくてほとんどが辞めていく」とか「アルバイトをしないと生活できないほど低収入」といったネガティブな話題もたくさん錯綜しています。
これから、独立・開業を視野に入れて社労士資格を取りたいと思っている方にとっては、一体どっちが本当なのか混乱してしまうかもしれません。
私の場合は、営業一筋の実務未経験状態から社労士資格を取り、現在のところ社労士業歴が約6年になりましたが、この間に社労士業の実態をよく知ることが出来ましたので、その辺りをよく踏まえた本当のところをお伝えしたいと思います。
■士業は商売、資格だけでお客が取れるほど甘くない
まず「社労士は食える資格?」という疑問ですが、単純に言うと「食っていける資格」です。でも、条件はつきますので、それは後述いたします。
確かにインターネットには様々な情報があふれていますが、現に私の周りには従業員も抱えてそれなりの事務所を経営する開業社労士や、従業員はいなくても特色のあるスタイルで活躍している社労士をたくさん知っています。また、社労士会に出向けば、それぞれ個々に頑張っておられる先輩や仲間に出会うことができます。そして、私自身もこの6年間、社労士として仕事をしてきて、途中で社労士が食えない資格なんて思ったことはありません。
従って、単純に「食えるか?食えないか?」と言われると「食える」となります。
とはいえ、ここで誤解してはいけないと思います。これは他の士業資格にも言えることですが、「社労士資格を持っている」だけでは絶対に食っていけないということです。恐らく社労士にネガティブな印象を持っている方は、この点について資格予備校のキャッチコピーを鵜呑みにしてしまったか、開業後の顧客獲得についての見通しが甘かったのか、そのような背景があるのではないかと感じます。
士業の世界は、今や弁護士・会計士でも簡単には食っていけない時代です。士業も独立・開業してしまうと他の業種と何ら変わらない商売であり、資格は単なる肩書に過ぎなくなりますので、成功するかどうかは、本人の才覚、特に営業力次第と言えます。この点を甘くみると「食えない資格」になってしまいます。
■それでも社労士の営業環境は明るいぞ!
繰り返しになりますが、社労士も他の業種と変わらない商売、サービス業です。いかにお客様に魅力あるサービスを提供できるか知恵を絞り、更に同業者との競争に勝ち抜いていかなければなりません。
この点に関して、先程、少し厳しいお話もしましたが、これから新人がこの世界に飛び込んで成功できる可能性、将来性を考えると、2つのポイントで他の士業に比べて良い環境下にあると感じます。
1つは、企業関与率です。日本の企業全体に対し、既に9割以上の既存関与率があるとされる税理士に対し、社労士はまだ3割程度とされており、新規開拓の余地が大きいと言われています。これに対しては、そもそも企業ニーズがないという反論もありますが、果たしてそうでしょうか?
2つめは、労務管理に対する企業ニーズの拡大です。昨今「ブラック企業」というフレーズをよく聞くようになりましたが、ブラック企業でなくとも労務管理に課題を抱えている企業はたくさんあります。むしろ、細かく突けば穴のない企業なんてほとんどないのが実情ではないでしょうか。
一方で、企業のコンプライアンスに対する労働基準監督署をはじめとする監督官庁や、マスコミをはじめとする社会の目は厳しくなる一方で、事実、私の事務所にもそのような労務コンプライアンスのチェックや改善に関するコンサルティング依頼が増えています。
ですので、このような企業ニーズをきちんと取り込めるような営業努力をすれば、この分野で唯一の国家資格である社労士は、まだまだ伸びていけます。独立・開業(または社労士事務所への就職)を目指すのであれば、「社労士は食えるか?食えないか?」なんていう情報に振り回されることなく、ご自分の知識・スキルと営業力の向上を目指しましょう。
執筆者:長友 秀樹/社会保険労務士
筑波大学卒業後、大手乳業会社で産婦人科病院・クリニックを担当、MRとして外資系製薬会社で勤務するなど約10年の営業経験を経て、2007年に社会保険労務士資格を取得。
2008年から都内の会計事務所、コンサルティング会社で人事コンサルタントとしての経験を積んだあと独立し、2012年8月にさいたま市で長友社会保険労務士事務所を設立。
現在は、医療専門の社会保険労務士として、就業規則の作成、人事評価制度の構築、M&A支援、新規開業支援、社会保険手続き代行、給与計算業務などに従事。