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社会保険労務士とは?
社会保険労務士とは、社会保険や労働保険、人事、労務に関する専門家です。企業での活躍や、開業が可能です。資格保有者数は95,877人(第1回から第44回までの合格者数)、登録者数は37,347人(平成24年9月30日現在)です。まずは、全国社会保険労務士会連合会が管轄する試験に合格する必要があります。
仕事について
昨今では年金の専門家としてのイメージが強くなった社会保険労務士ですが、実際にはその役割は幅広く、労働・社会保険に関する法律のエキスパートとして、企業経営に係わる従業員の採用から退職までの人事労務の諸問題や個人の年金相談に応じています。
業務内容は、下記の1~3号業務に分けられており、特に1・2号業務については、社会保険労務士の独占業務として社会保険労務士でなければ行えない仕事になります。
○1号業務・・・労働・社会保険関連の申請書作成・提出代行・事務代理および紛争解決手続代理
○2号業務・・・帳簿書類(労働者名簿・出勤簿・賃金台帳など)の作成
○3号業務・・・労務管理などに関するコンサルティング業務
これらの分野は、企業経営の3要素である「ヒト・モノ・カネ」のうち、最も重要とされる「ヒト」に関することであり、企業の健全な発展とそこで働く労働者の福祉の向上を果たすため、社会保険労務士に寄せられる期待はますます大きくなっていると言えるでしょう。
■資格取得のメリット
資格取得の大きなメリットの1つは、独立・開業して企業から顧問契約などを受託し、専門知識に基づくアドバイスを行えることでしょう。この場合は、全国社会保険労務士会連合会に開業登録することになりますが、その他にも勤務登録をして、自ら勤務する企業内で専門知識をいかして活躍する方法もあります。
開業登録・勤務登録の違いは以下のとおりです。
▽独立型
・開業社会保険労務士…企業などから業務の委託を受け、その報酬を得て社会保険労務士業務を行う。
・社会保険労務士法人…社会保険労務士業務を、法人として組織的・継続的に行うことを目的に設立する。設立には、開業社会保険労務士が2人以上必要となる。
▽企業所属型
・勤務社会保険労務士…企業に勤めながら、その企業の労働・社会保険関係の書類作成や手続きなどの社会保険労務士業務を行う。
また、女性の活躍が目立つのがこの資格の特徴です。直近のデータによると合格者の約35%を女性が占めていますが、これは他の士業資格と比較すると高い割合です。
女性ならではの仕事の正確さやきめ細やかさ、気配りなどは社会保険労務士として大切な要素です。勤務社労士として、企業の人事や総務部門で、従業員の入退社手続や給与計算の実務に知識を生かすことができますし、開業社会保険労務士としても女性の視点で企業の人事・労務管理にアドバイスできることが大きなメリットとなります。
年収について
年収はケースバイケースで一概には言えませんが、独立・開業した場合、年収1,000万円以上を目指すこともできます
ベースとして、労働・社会保険手続きの代行業務をメインとした労務顧問先を増やしていけば収入が安定します。顧問業務に加えて、「就業規則作成」や「労働・社会保険の新規適用」、「助成金申請」などのスポット業務を取って、開業後3年くらいまでには売上600万円以上を目指します。
もちろん人によって、ご自身の人脈や営業力、営業手法により早期に1,000万円以上を目指すことも可能です。逆に、営業が上手くいかず受注数が伸び悩み、目標の半分にも届かないといったケースも十分にあり得ます。「資格を持っているだけで顧客を取れる」なんてことは一切ありませんので、成功できるかどうかはひとえに営業力にかかっています。
勤務社労士の年収は、勤務する会社や自分自身の会社内でのキャリア次第ですので、一概に言えませんが、人事労務の仕事に直接従事する場合、会社によっては一定の資格手当を支給してくれるところもあるでしょう。
難易度と試験対策
社会保険労務士試験は毎年8月下旬に実施されます。試験のスケジュールは、4月中旬から5月末までが受験申込期間、8月の第4日曜日に試験実施、11月上旬に合格発表となります。
平成24年度の試験の合格率は7.0%です。
試験の形式は択一式と選択式で全てマークシート方式です。
科目は労働基準法及び労働安全衛生法、労働者災害補償保険法、雇用保険法、労働保険徴収法、労務管理その他労働に関する一般常識、社会保険に関する一般常識、健康保険法、厚生年金保険法、国民年金法です。
合格基準点は、相対評価なのでその年の試験の難易度により毎年変動します。また、各科目に足切り点が設定されています。
試験対策としては、全科目で足切り点を越えるようにするため、苦手科目を作らないようにする必要があります。また、各科目を横断的に学習すると知識を整理しやすいといえます。
監修:長友秀樹/社会保険労務士
筑波大学卒業後、大手乳業会社で産婦人科病院・クリニックを担当、MRとして外資系製薬会社で勤務するなど約10年の営業経験を経て、2007年に社会保険労務士資格を取得。
2008年から都内の会計事務所、コンサルティング会社で人事コンサルタントとしての経験を積んだあと独立し、2012年8月にさいたま市で長友社会保険労務士事務所を設立。
現在は、医療専門の社会保険労務士として、就業規則の作成、人事評価制度の構築、M&A支援、新規開業支援、社会保険手続き代行、給与計算業務などに従事。
- 問い合わせ
- 全国社会保険労務士会連合会
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