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音楽療法士の基礎知識

音楽療法士とは?

音楽療法士は、音楽の持つ生理的、心理的、社会的働きを用いることによって、心身の障害の回復や機能の維持・改善、生活の質の向上、行動の変容などを目的に、音楽を意図的、計画的に使用する音楽療法の専門家を認定する資格です。

仕事について

音楽療法士は、現在は主に福祉や医療のシーンで活躍しています。音楽療法を行う対象は、認知症の高齢者や精神障害者が主になり、場合によっては交通事故などによって、脳障害後遺症を起こしてしまった人や、脳性まひや小児まひの人、自閉症の子どもや人などに対して行われます。実際は、その対象となる人の状況に合わせた音楽的プログラムを組み、対象者に音楽を聞かせたり、歌ってもらったり、音楽に合わせて体を動かしてもらったり、楽器を演奏したりしてもらうことで療法を行います。一見、意味のないようなものでも、一つ一つに意味があります。歌を歌うこと一つとっても、肺活量を増やしたり、新しい言葉を習得するために役立ったり、記憶力に働きかけたりなど、さまざまな意味合いがあるのです。楽器を演奏するのは、手や指の活動にも良い影響を及ぼすともいわれています。音楽療法士は、テンポやリズム、ハーモニー、音などを考慮したうえで、リハビリ支援になるように計画を立てます。

年収について

音楽療法士の資格を活かして働く場合、平均年収は300万円前後だといわれています。音楽療法士の収入は、月収というよりは、1回の施術あたりいくらという計算になることが多いようです。1回の目安は2,000円~1万円と、そのスキルや経験によって幅があります。そんな音楽療法士の将来性を考えると、高齢者や障害者だけでなく、現在は精神病やストレスの不安や苦痛を訴える人が増えているという現状においては、決して暗くはないといえるでしょう。どのような人に対しても、音楽の力で癒すことのできる可能性は十分にあります。特に精神科などで快癒されない症状がある中で、この音楽療法に頼られるシーンは今後も増えていくことでしょう。

難易度と試験対策

音楽療法士の資格を得るための手段には、日本音楽療法学会が認定する学校に通った試験を受ける方法と、臨床経験を積んだ後で、試験を受ける方法の2通りがあります。どちらの方法も、筆記試験と面接試験の2種類に合格する必要があります。筆記試験対策としては、日本音楽療法学会から出ている試験問題解説集を利用することができます。実際に働いている人でも、スクールの通信講座で勉強し、資格を取得したという人もいます。面接試験のほうは、実技では弾き歌いを行うことになります。伴奏楽器はキーボードまたはギターを使用でき、課題曲の中から指定の曲数を習得しておき、当日指定された1曲を演奏します。普段から臨床経験を積んでおくことは、試験に非常に有利になるようです。

問い合わせ
日本音楽療法学会

※掲載している情報の正確性、最新性、お客様にとっての有用性等につきまして保証しておりません。

関連資格

救急救命士

救急救命士は、救急車が病院に到着するまでの間に、医師の指示の下、心肺停止状態の患者に対して救急救命処置を行うことのできる国家資格です。救急現場での応急処置を充実させ、より救命率を上げるために設けられた資格です。

介護福祉士

介護福祉士は、ケアワーカーとも呼ばれ、社会福祉士、精神保健福祉士と並ぶ、三大福祉国家資格のひとつです。国内の家庭などにおける介護能力の低下を見越して、専門能力を有する人材の必要性から生まれた資格です。介護や介護者に対する指導が主な仕事です。

リトミック指導員

リトミック指導員は、幼児のための心身の調和感・秩序感・協調性・情操教育・音楽導入教育を行う指導者として、全国各地のカルチャーセンターや公共機関の教室などで、こども達の指導にあたります。 リトミック指導員の資格は、国立音楽院のリトミック本科(2年制)か、指導科(1年制)で学びます。現場実習(40回以上)を重ね、カリキュラム修了後に指導員資格の認定を受けます。

参考書籍

  • 音楽療法の基礎
  • 音楽療法士のためのわかりやすい医療用語ハンドブック―基本から略語まで
  • 音楽療法士になろう!