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無線従事者の基礎知識

無線従事者とは?

無線従事者とは、電波法に定められている無線設備の操作、またはその監督を行う者です。総務大臣によって免許の交付を受ける国家資格である上に、業務独占資格でもあります。また、簡易な操作以外の操作を要する無線局には、無線従事者を必ず置かなければならないと電波法によって定められています。

仕事について

無線従事者の資格は、総合、海上、航空、陸上、アマチュアの5つの分野に分類されます。総計23の資格があり、それぞれの扱える電波の内容に応じて従事することになります。そもそも「無線設備」とは、無線電信、無線電話などの電波を送ったり受けたりするための電気的設備のことをいいます。例えば、総合においては、海上、航空及び陸上の無線局の無線設備の操作を行うことができます。これは総合無線通信士と呼びます。海上においては、海上関係の無線局の無線設備の操作を行うことができます。海上無線通信士、海上特殊無線技士、レーダー級海上特殊無線技士がそれに相当します。航空においては、航空関係の無線局の無線設備の操作を行うことができ、航空無線通信士と航空特殊無線技士があてはまります。陸上では、無線局の無線設備の操作を行うことができます。これは陸上無線技術士、陸上特殊無線技士、国内電信級陸上特殊無線技士が相当します。最後のアマチュアについては、アマチュア無線局での無線設備の操作を行うことができ、アマチュア無線技士が相当します。

年収について

無線従事者の各資格を取得し、就職した場合、どれくらいの収入が見込めるのでしょうか。それぞれの資格によって異なりますが、無線従事者のうち、第一級レベルに相当する立場の初任給は17万円程度、第二級や航空無線通信士は14万円程度、それ以外は13万円程度であることが公務員給与規定から割り出されます。一見低い給与であるように思えますが、民間企業で活かす場合にはもっと高額が見込めます。例えば、通信関係の会社において無線従事者を活用して無線通信エンジニアとして働く場合で、年収600万~850万円という事例があります。電波を利用して通信を行う際に誤った操作を行ってしまうと、他の通信に混信し、妨害を与えてしまうこともあり得ます。行政や企業活動などにおいて電波利用は欠かせぬものであるため、無線従事者は必要不可欠の存在であることが分かります。国家公務員として従事する場合には、その安定性に加えて、将来的にも安泰であるといって良いでしょう。

難易度と試験対策

無線従事者の試験対策としては、過去問が日本無線協会の公式サイトや、インターネットで入手できるので、それらを利用することができます。また、電気通信振興会からも各資格の問題集が出ています。この問題集は過去問題の類似問題が比較的多く出題されると評判が高いです。具体的な勉強方法としては、過去問題を解きながら重要な部分を参考書を用いて理解していくのが良いとされています。決して暗記しようとするのではなく、大事なのは、狙いどころをしっかりと定めることにあるようです。また、第一級陸上無線技術士の試験対策の場合には、無線工学について勉強することになりますが、数学的な部分で分からないところが出てきた場合には、数学の勉強をするなどが大事だといわれています。このように無線従事者の試験は数学的な計算を押さえておくことも重要であるようです。

※掲載している情報の正確性、最新性、お客様にとっての有用性等につきまして保証しておりません。

関連資格

海上無線通信士

海上無線通信士は、無線従事者の一種。総務省所管。海上における遭難及び安全に関して、船舶の無線設備を操作する技術者です。衛星通信設備、電話無線設備や衛星EPIRBなどをモールス電信を使用しないで陸上や他の船舶と通信を行います。

電気通信主任技術者

電気通信主任技術者とは、電気通信ネットワークの工事や維持、運用における監督の責任者を認定する国家資格です。電気通信事業者には、電気通信主任技術者を選任する義務があります。電気通信設備の工事や維持、運用の監督者としての業務にあたらせなければならないのです。

陸上無線技術士

陸上無線技術士は、無線従事者のうちの一つで、主として陸上の無線局の無線設備の技術的な操作を行うことのできる資格です。この陸上無線技術士の資格には、第一級陸上無線技術士と第二級陸上無線技術士があります。

参考書籍

  • 法規―航空特殊無線技士 (無線従事者養成課程用標準教科書)
  • 法規―航空無線通信士 (無線従事者養成課程用標準教科書)
  • 航空無線通信士―無線従事者国家試験問題解答集